この商品の説明
商品紹介
近年の医療の進歩は著しく、消化器内科領域においても高度かつ専門的な診療が求められています。患者さんに最良の医療を提供するためには、最新で確かな技術と知識を用いて診断と治療を行うことが不可欠です。本誌は、消化器疾患の診断の要となる画像もフルカラーで美しく鮮明なまま多数掲載し、臨場感あふれる誌面を実現します。さらに第一線で活躍する医師や専門家による企画編集・執筆で、臨床に直結する今最も知りたい知識と情報を読者の皆さまに毎号お届けします。
目次
特集●大腸腫瘍に対する拡大内視鏡診断
企画編集/斎藤 豊(国立がん研究センター中央病院 内視鏡科長・内視鏡センター長)
<特集にあたって>
本号では消化器内科領域の臨床に直結する『大腸腫瘍の拡大内視鏡診断の基礎』を徹底解説いたします.
従来の教科書や解説書では十分に解説しきれない大腸腫瘍・早期癌の内視鏡写真の撮影・読影の基本とPit fallを,初学者にもわかりやすく解説することを目的としています.そのため執筆陣は,第一線で活躍する若手~中堅の大腸内視鏡医の精鋭にお願いしております.
Narrow Band Imaging(NBI)および Blue Laser Imaging(BLI)画像や拡大NBIおよびBLI画像,Pitパターン所見の病理組織との1:1の対応による正しい読み方だけでなく,“それ以前”の重要な問題としてFocusやPintのあった美麗な写真の撮り方,病変を出血させない洗浄のコツ,通常所見でどの部位に注目し,Focusを絞って拡大観察していくか,NBI/BLIに加えて,どのような病変ではインジゴカルミン,さらにはクリスタルバイオレット染色まで必要か,などについて詳細に解説し,その後,症例の読影のポイントについて,実際の基本的な症例で組織との対比で解説するという,懇切丁寧な切り口で初学者のための解説書,また,初学者のみならず中級から上級の先生が読まれても得るところの大きい内容を目指しております.したがって超拡大内視鏡診断のコツまで詳細に解説されています.
本書を通読することで,あたかも読者が,大学病院や,基幹施設の内視鏡センターで最高の指導医(本書の執筆者となります)について大腸内視鏡(診断)学の研修をしているようなイメージを具現したいというのが我々の願いです.
胃癌は,ピロリ菌の除菌や胃癌検診の効果などにより今後20年で確実に減少していきます.これからの若い世代の消化器内視鏡医は,大腸腫瘍・早期癌の診断学が必須となる時代となっています.
また大腸内視鏡検査の最初のハードルは回盲部挿入にありますが,それで終わりではなくその後の観察・診断と,同時に病変を発見した場合に,その場で生検することなしに治療方針まで決定することが求められます.2cm以下の病変なら外来EMRという選択肢もあるからです.
患者さんの立場になれば,やはり何度も下剤を飲んで,再検査されるのは,できれば避けたいところと思います.
コラムとして,現時点で,大腸内視鏡学における最も重要なトピックである(1)大腸がん検診と,(2)AI診断,さらには(3)JNET分類についてもわかりやすく紹介してもらっています.(1)大腸がん検診に関しては元厚労相課長補佐の堀松から,ナッジ理論(行動経済学)を利用した検診受診率向上の取り組みや,Personal Health Recordの導入など新しい取り組みが紹介されています.(2)AI診断では樺,玉井が,日本の内視鏡AIの紹介にとどまらず世界の潮流とAIの利点に加え,利用する上での注意喚起まで明快に説明がなされています.将来的には,AIと会話しながら大腸内視鏡検査をする時代がすぐそこまで来ていることを予感させてくれる内容です.(3)JNET分類についてはJNETメンバーの斎藤彰一とその同僚松野が,分類の成り立ちから臨床的な注意点まで概説しています.あわせてお楽しみ下さい.
是非,消化器内視鏡専門医を目指す先生に限らず,消化器内視鏡をこれから始めてみようという若い先生や,現在大腸内視鏡をトレーニングしているけれども中々綺麗な写真が撮れない,あるいは綺麗な写真は撮影できるが,読影や治療方針の決定に自信がないといった先生方に,一人でも多く手に取ってみていただきたいと願います.
斎藤 豊
国立がん研究センター中央病院 内視鏡科長・内視鏡センター長
<目次>
1. Pit patternとは?/和田祥城,福田将義,大塚和朗
2. 腫瘍非腫瘍のpit pattern診断の基礎と実践/保田和毅,岡 志郎,田中信治,二宮悠樹,茶山一彰
3. 鋸歯状病変のpit pattern診断の基礎と実践/水口康彦,斎藤 豊
4. 癌の深達度診断におけるpit pattern診断の基礎と実践/砂川弘憲,池松弘朗
5. 狭帯・・・